放射性物質の一つにストロンチウムがあります。
本日は、
放射性物質ストロンチウムが危険な理由について書きます。
ストロンチウムは、カルシウムと化学的な性質がとても良く似ています。
この為、人間の体はストロンチウムが食物に含まれていれば、
カルシウムと勘違いしてストロンチウムを体内へ積極的に取り込んでしまうのです。
この時、カルシウムは骨を作ると言われているので、
ストロンチウムは骨や歯に集まります。
骨の中には、赤血球や白血球、血小板と言った基本細胞である血液を製造する器官の骨髄がありますが、ストロンチウムから放出される放射線(ベータ線)により、この骨髄は攻撃される事になるのです。
これらの血液細胞は、ストロンチウムによって生涯に渡って攻撃され続けます。
何故ならば、
ストロンチウム90の半減期は、約30年だと言われており、極めて長い期間だからです。
しかも、ストロンチウムは一度侵入した場所を離れる事なく、
そこで短いベータ線を放射し続けます。
そして、徹底的に細胞が傷つけられると、やがて血液のがんである白血病や骨のがんを発症してしまうようになるのです。
この事が、ストロンチウムは厄介だと言われている所以です。
ストロンチウムが放出しているベータ線は、空気中では数十センチから数メートルしか進む事が出来ない為に、外部被曝はあまり心配する必要はありません。
しかし、内部被曝については、上記の説明の通り、
大変危険な放射性物質となりますので注意が必要です。